Gio Batta Morassi(ジョバッタ・モラッシ、1934–2018)は、現代クレモナ派を代表するイタリアの名工であり、弦楽器製作の分野で国際的に高い評価を受けた人物です。ウディネ県で生まれ、木工職人の家系に育った彼は16歳で弦楽器製作を志し、クレモナの国際弦楽器製作学校で学びました。 卒業後は著名製作家のもとで修業を積み、自身の工房をクレモナに構えました。1971年には母校で主任教授に就任し、多くの弟子を育成。伝統的なスタイルを尊重しつつ、独自の改良を加えた楽器は、音響的な完成度の高さで知られています。 彼は国際製作コンクールにおいて10以上の金賞を受賞し、2015年にはウディネ大学から名誉修士号を授与されました。また、製作家協会の設立や国際審査員としての活動を通じ、世界中の製作界に多大な影響を与えました。晩年まで製作を続け、その技術と精神は息子や弟子たちに受け継がれています。