マルチェッロ・イーヴェは、1962年にイタリア・クレモナで生まれた弦楽器製作家です。クレモナ国際ヴァイオリン製作学校を首席で卒業し、その後CEE(旧欧州経済共同体)研修工房でさらに技術を磨きました。在学中には「グイド・マローラ賞」金メダルを受賞するなど、早くから頭角を現しています。 1988年には、クレモナ国際ヴァイオリン製作コンクール(トリエンナーレ)でヴァイオリン部門金賞とロジャー・ハーグレイヴ特別賞を受賞。イーヴェは、その精緻な製作技術と深い音楽性で、クレモナを代表する製作家の一人として知られる存在となりました。 ジオ・バッタ・モラッシの系譜を継ぎながら、ダンテ・フルヴィオ・ラッザリ、ダリオ・オッキピンティらと並び「超精密派」と称されるスタイルを確立。細部に至るまで緻密に作り込まれた楽器は、豊かな響きと確かな演奏性能を兼ね備え、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ヴィオラ・ダモーレなど幅広く手掛けています。 クレモナ市内に工房を構え、後進の育成にも力を入れており、ストラディヴァリ旧邸を活用した若手職人向けプログラムにも参画。伝統と革新を両立させながら、現代の弦楽器製作界を牽引する存在として高く評価されています。